ワンちゃんのしつけで最初にするのは、トイレのしつけではないでしょうか。
しかし、お手や座れは早く覚えても、トイレには時間がかかるというご家庭も多くあります。
なかなか覚えられないトイレには、共通した原因があるのです。とはいえ、とにかく早く覚えて欲しいトイレ。
今回は、一刻も早く覚えて欲しいと願っている飼い主さんのために、トイレを早く成功させる方法と、失敗する原因を紹介していきます。

犬と一緒に帰ってきた瞬間から始まるトイレのしつけ

ワンちゃんは、ペットショップで出会い、家族になるパターンが多いですよね。
ペットショップでは「トイレはここ」という概念はなく、安心するタオルの上や、床に自由にしていることが多い状態です。
しかし、人間の生活では「おしっことウンチはトイレでするもの」という概念があります。
そのためワンちゃんは、飼い主さんと出会って家族になった瞬間に初めて「トイレ」という概念を知らされるのです。

まずはトイレグッズをしっかり揃えよう

ワンちゃんを家族に迎えて最初にすることは、トイレグッズをしっかり揃えることです。
最初はトイレという概念そのものがないので色々なところで排泄をしてしまいます。
あちこちで排泄をされて慌てないためにも、最初のトイレグッズはしっかり多めに揃えておくことが大切です。
どんなものが必要なのかあげていきます。

● ゲージ:トイレと寝床のスペースが取れるもの
● トイレトレー:身体の大きさに合わせてレギュラーかワイド
● ペットシーツ:トレーニング用と普通の両方あるのが望ましい
● 新聞紙
● 消臭スプレー
● ウエットティッシュ

特にペットシーツに関してはトイレトレーニング用と普通のペットシーツの両方を揃えておくと安心です。
また、ゲージの床面部分には必ずトレーを敷き、床とトレーの間には、水をはじきクッション性の高いクッションフロアなどを敷いておくと良いでしょう。
万が一濡れてしまってもふき取るだけで床を汚しません。

犬のしつけは根気よく|繰り返し教えてトイレを覚える

ワンちゃんは、飼い主さまに出会って初めてトイレという存在を知ります。
人間の赤ちゃんがそうだったように、ワンちゃんも急には覚えないということを覚えておきましょう。
子犬の場合、1日何度も排泄をします。ワンちゃんの排泄の分だけトイレのしつけのチャンスがあると考えてください。
都度繰り返しトイレを教えることで「トイレというのはおしっことウンチをするところなんだ」と学習してくれます。

犬がトイレの失敗をする原因

ワンちゃんを家に迎えてからというもの、まだ成功率が低いという飼い主さんもいるかもしれません。
では、どうしてワンちゃんのトイレが「失敗」するのでしょうか。
そこにはそもそもワンちゃんは「失敗」とは思っていない現実があるのかもしれません。

そもそも「トイレ」を認識していない

ペットシーツを挟んだトレーをワンちゃんに「トイレ」として教えます。
しかし、いくら「ここがトイレだよ~覚えてね~」と言ったところでワンちゃんは私達の言葉はわかりません。
その場所をトイレとして認識していないので、人間が望む場所ではしない。ということもあります。

タオルなどの肌ざわりがおしっこをする場所として認識している

冒頭の方でも記述しましたが、ペットショップなどではタオルや床などで自由に排泄をしていました。
そのため、「肌ざわりの良い何か=おしっこ」という認識をしている可能性もあります。
足の裏で感じる柔らかさ、温かさで排泄が促されるのです。
トイレが失敗している場合、やわらかいものの上でしていないかをチェックをしてみてください。

怒られるからかくれてする

何度か失敗すると飼い主さんの中にはものすごい剣幕で怒る方もいるでしょう。
それを見たワンちゃんは「トイレで出来なかったことを怒られている」ではなく「おしっこをしたから怒られている」と勘違いをします。
その結果、飼い主さんが見ていないところやタイミングを見計らって隠れて排泄をするようになるのです。

犬がトイレにいきたくなるタイミング

飼い主さんとワンちゃんとの間で繰り広げられているトイレの勘違いを解消させるためには、ワンちゃんが排泄をしたくなるタイミングを見計らって行動することが大切です。

● 水を飲んだ後
● ごはんを食べた後
● 寝起き
● 遊んだ後

子犬のうちは2,3時間おきに排泄をもよおします。
頻繁に排泄をするので、大変ですがその分トイレトレーニングのチャンスが到来したと考えましょう。
まわりのにおいをクンクン嗅いだり、くるくると回ったりし始めたら排泄のサインです。

トイレのしつけの近道はよく犬を観察することから始まる

ワンちゃんと飼い主さんのトイレに対する認識のズレや、トイレのタイミングがわかったら、もうトイレの成功率がグッとあがるはずです。

トイレに誘導して成功に導く

ワンちゃんの排泄のタイミングを見て素早くトイレに連れて行く。
最初は不思議そうな顔をしているワンちゃんも、回数を重ねるごとにトイレの場所を覚えてきます。
何度も誘導して成功に導いて自己肯定感を育てましょう。

成功したらとにかく大げさにほめる

例え少しくらいシーツからこぼれたとしても、成功したのであれば大げさかなと思うくらいほめてあげてください。
いままで怒られるから隠れて排泄をしていたワンちゃんも「この場所でするだけでこんなにも飼い主さんは喜んでくれるんだ」と感じてくれます。

失敗したら「NO」成功したら「グッド」としつけのコマンドで伝える

ワンちゃんを家族として迎えたなら、トイレトレーニングの他にも待てや座れなどさまざまなしつけをしていることでしょう。
その際、ダメな場合は「NO」、バッチリな場合は「グッド」など、何かしらのコマンドを発しているはずです。
もちろんトイレトレーニングも同様に失敗したらNOと一言伝え、失敗した場所にあるおしっこなどをペットシーツで吸い取り、本来のトイレに置きます。
ワンちゃんをトイレに連れていき「ここでならグッドなのに」と頭をなでるなどして伝えましょう。

犬のトイレを最短で成功させるなら、失敗の痕跡を残さず消す

トイレ以外の場所で排泄をした場合、排泄臭がします。
ワンちゃんは人間の嗅覚の3000倍~10000倍とも言われているため、軽く拭いたくらいではワンちゃんのおしっこのにおいは取れません。
同じ場所で繰り返しおしっこをさせないためには何としてでも痕跡を消せるように努力をしましょう。

例えば市販のペット用消臭剤を使ったり、アンモニアを中和するクエン酸のスプレーを使ったりも効果的です。
特にクエン酸の溶液は、100円ショップやホームセンターなどで気軽に手に入ります。
水でクエン酸を溶くだけなので、お散歩の時のおしっこを流す場面でも使えるので便利です。

犬も最初のうちは失敗して当たり前|広い心でトイレのしつけをしよう

飼い主さん目線で見るとどうしてワンちゃんはトイレを覚えないのか、自分のしつけの仕方が悪かったのかなど考えてしまいがちです。
しかし、多くの場合は飼い主さんとワンちゃんとの認識の違いが原因。
トイレのしつけを正確に早くするためには、ワンちゃんをよく観察することから始めてみましょう。
どんな誤解があるのか解決したら、トイレの成功は目前です。

ほめるときには大げさに、怒るときには、手短にが基本。
ただ怒るだけではなく、どうしたらグッドがもらえるのかなどを一緒に伝えると良いでしょう。
トイレトレーニングをしっかりと成功させて、これから始まるワンちゃんとの日常を楽しんでください。