ここ数年、夏は猛暑より酷暑と表現するのがピッタリになりました。9月になっても暑さは一向に柔らかず、秋はどこに行ってしまったの?とうんざりするような毎日が続いています。
とはいえ、お彼岸を過ぎたあたりからめっきり秋めいてきましたよね。ようやく愛犬とのお散歩が楽しめる爽やかな季節の到来ですが、だからといって油断は禁物!
なぜなら、季節の変わり目は気温や湿度はもちろんのこと気圧の変動も大きく、犬も体調不良を起こしやすい時期だからです。
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秋は気温が下がってお散歩しやすい!でもアスファルトはまだ熱いかも
夏場の暑い時期は、熱中症対策としてものすごく朝早い時間か、ものすごく夜遅い時間に愛犬を短い時間だけ散歩させている飼い主さんが少なくありません。本当はもっと歩かせてあげたくても、熱中症の危険性を考えると難しいのが現実です。
しかし、秋になって朝晩の気温が低くなってくると、ようやくまともに歩かせてあげることができるようになります。
とはいえ、無条件に愛犬を長時間の散歩に連れ出すのはちょっと待って!
確かに秋は真夏に比べると気温と湿度はぐっと下がってきますが、だからといって油断はできません。地球温暖化が叫ばれている今、秋とはいえど日中の気温はかなり高くなることも珍しくないからです。
というわけで、爽やかな秋になってからも愛犬をお散歩に連れ出す前に、まずはしっかり天気予報をチェックしましょう。その日の最高気温、時間帯別の気温を確認し、そのうえでお散歩に最適な時間を考えるようにすると安全です。
また、気温がそれほど高くないものの、快晴の予報が出ている日も要注意!夏に比べて湿度が低くなる秋は、空気が澄んでいる分だけ日差しの透過率が高まっているからです。
そのため、飼い主さんは涼しくなったと感じていても、もしかしたらアスファルトは思っている以上に熱を持っているかもしれません。犬達の体は私たち人間よりアスファルトに近い位置にあり、モロに影響を受けてしまいやすいのです。
秋は犬の散歩が楽しくなる季節ですが、お散歩コースに舗装された道路を歩く際は、アスファルトが熱を持っていないか注意したほうがよいでしょう。
秋は愛犬との散歩が楽しい季節!でも体調不良には注意が必要
夏の暑い時期は人も犬もエアコンで涼しくしたお部屋に閉じ込められてましたが、秋は涼しい外気の中をのびのび歩ける素敵な季節です。
しかし、季節の変わり目である秋は意外にも犬が体調を崩しやすい時期でもあるため、油断はできません。
秋のアレルギー
花粉症といえばなんとなく春のイメージがありますが、秋の花粉症も要注意です。もしも愛犬が散歩中に目を痒がったりくしゃみや咳をしたとしたら、秋の花粉症かもしれません。
ブタクサ
ヨモギ
カナムグラ
犬の花粉症は放っておくと鼻の粘膜の炎症や皮膚病などを引き起こす原因になるため、早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。
胃腸の機能低下による下痢や軟便
夏場は暑さのせいで落ちていた食欲も、秋の涼しい季節になるとメキメキ復活するものです。愛犬がモリモリ食べる姿は飼い主にとっての喜びですが、急な食べ過ぎには注意してください。
暑さのせいで胃腸の調子が落ちていると、秋の食欲旺盛に消化器の機能がついていけないことがあります。もしも散歩中に下痢や軟便をする場合は、胃腸に優しい食事内容と食事の量を見直しましょう。
関節や靭帯のトラブル
秋になって涼しくなると、犬達も元気いっぱいに走りたくなることでしょう。しかし、夏場に運動不足になっていた犬の体は、飼い主が思っている以上に固まっているかもしれません。
早朝のお散歩の際にいきなり全開で走らせたり、突然長い距離を歩かせてしまうと関節や靭帯を傷める原因になります。
秋のお散歩はゆっくり歩きのウォーミングアップから始め、走らせるのは愛犬の体がしっかりほぐれてからにしましょう。特に老犬の関節は加齢によって衰えているため、なおのこと注意が必要です。
秋は愛犬とのお散歩が楽しい!でもこんな植物には気をつけて!
秋のお散歩は爽やかな空気が気持ちいいですよね。とりわけ、樹木の多い場所は紅葉も楽しめたりと、犬だけではなく飼い主にとってもリフレッシュできる時間になることでしょう。
落ち葉をカサカサ踏みながら歩く愛犬は実に楽しそうですが、足元に落ちている木の実に注意!食欲旺盛な犬はパクリと拾い食いをしてしまうことがありますが、木の実の中には犬の体に悪影響を与えるものがあるからです。
また、散歩をするルートに生えている植物の中には、犬が口にすると危険なものが隠れているかもしれません。
銀杏
銀杏に含まれているメチルピリドキシン(ギンコトキシン)という成分には、ビタミンB6の働きを阻害する作用があり、ビタミンB6欠乏症を引き起こすことがわかっています。
銀杏中毒の症状は、嘔吐・下痢・めまい・痙攣・呼吸困難などです。
どんぐり
どんぐりに毒性はありませんが、含まれているタンニンの影響で嘔吐や下痢をすることがあります。また、どんぐりの皮はかなり硬いため、消化管を傷つける恐れがあるため注意が必要です。
ヨウシュヤマゴボウ
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、ヨウシュヤマゴボウは日本全国の山野はもちろん、街中やアスファルトの割れ目などにも自生している多年草の植物です。
秋に濃い紫色の小さなぶどう(あるいはブルーベリー)状の実をつけている植物をみつけたら、ヨウシュヤマゴボウかもしれません。
ヨウシュヤマゴボウは植物全体に神経毒(フィトラッカトキシン・フィトラッキゲニン)を含んでいるため、散歩中に犬を近寄らせるのは危険です。
ヨウシュヤマゴボウを食べてしまうと嘔吐・下痢・神経麻痺・痙攣・意識障害・心臓麻痺などを引き起こす可能性があります。
オナモミ
俗称「ひっつき虫」と呼ばれている、トゲトゲのある実をつけるキク科の一年草です。草むらで遊んだあとの犬の体にひっついている、あのトゲトゲがたくさんついた卵型の実のことですね。
オナモミの実が厄介なのは、犬の毛に絡んでしまうと簡単には取れないところです。どうやったらこんなにもギチギチに絡みつくの!?と驚くほど取れません。
オナモミがくっついた犬はチクチクと痛みを感じますが、取ろうとする飼い主もトゲがチクチク刺さって泣きたくなることもあります。
犬の体にくっついたオナモミをそのまま放置していると皮膚に傷をつけるだけではなく、犬自身が取ろうと掻いたり噛んだりしたことでついた傷から二次感染してしまうことも。
秋はオナモミがくっつきまくる季節のため、草むらには入らせない方がよさそうです。
秋になっても蚊対策は必須!
フィラリアの予防薬は、蚊の飛散が終了してからプラス1ヶ月服薬することがお約束です。しかし、涼しくなってくるとつい蚊のことを忘れてしまい、最後の予防薬を投薬し忘れてしまうことも…。
秋に入ってからのフィラリア予防薬を忘れてしまうと、夏の間はしっかり飲ませていても、フィラリアに感染するリスクが高まるため注意が必要です。
また、夏場のお散歩と同様に秋になってから愛犬を屋外へ連れ出す際も、蚊よけの対策をしたほうがよいでしょう。
もちろん、フィラリアの予防薬を適切な期間しっかり投薬すれば、フィラリアの感染はほぼ100%防げます。しかし、それでも蚊に刺されないに超したことはありません。
涼しくなるとついつい油断しがちになりますが、大切な愛犬の健康を守れるのは飼い主さんだけなのです。