犬のキャリーバッグは、犬を移動させるときに使う実用的なカバンです。一昔前なら機能一辺倒でしたが、いまやオシャレなデザインが増え、どれにしようか迷うのも楽しみの一つになりました。

ところがさんざん悩んで買ったのに、動物病院へ行く時しか使う機会がない、という飼い主さんも少なくありません。でも、それではなんだかもったいない!

この記事ではキャリーバッグのタイプ別の特徴や、活用方法をご紹介しています。

犬の「キャリーバッグ」「ケージ」「クレート」の違いとは?

ところで、犬を運ぶアイテムにはキャリーバッグのほかに、ケージやクレートと呼ばれるタイプもありますよね。

この3つに厳密な定義はありませんが、一般的な用途から違いを簡単にまとめると…
キャリーバッグ
● 短時間の移動に向いている。
● ボストンバッグ・トートバッグ・ショルダーバッグ・リュック・スリングなど、普段使いのバッグに近い形状からクレートタイプまで、デザイン・色・柄が豊富に選べる。
● 犬が入るスペースのほかに、小物等をしまえる外ポケットやキャスター付きなどがあり汎用性が高い。
● 材質は布・ビニール・ナイロン・プラスチックなど、ソフトタイプからハードタイプまでバリエーションが豊富。
ケージ
● 短時間~長時間の移動に対応できる。
● 側面・底面・天井と上下左右が囲まれた直方体。
● 側面の一ヶ所に開閉式の扉が付いているタイプが主流。
● 材質はプラスチック・ステンレス・木製など丈夫な作り。
● 大きさによって犬小屋に近い感覚でも使える。
クレート
● 短時間~長時間の移動に対応できる。
● 側面・底面・天井と上下左右が囲まれた直方体。
● 側面の一ヶ所に開閉式の扉が付いている、または複数個所にジッパー式の開口部が付いているものが多い。
● 材質はプラスチック・ステンレス・シリコンゴムなど丈夫なハードタイプと、ナイロン・布等を使ったソフトタイプに大別できる。
● ケージと同じ形状だが、持ち運びに特化している分サイズはコンパクトで犬小屋としての用途には向かない。

ケージとクレートの呼び方は、商品によってまちまちです。販売者や使用者の主観的な判断で区別していることも多く、厳密に種類が分かれているわけではありません。

また、キャリーバッグという呼び名は「犬を移動させる時に使う入れ物」全般を指している場合もあります。そうなるとバッグタイプだけではなくケージもクレートもすべてキャリーバッグにあてはまるため、なんともややこしいですね。

キャリーバッグはソフトとハードそれぞれの特徴で使い分けるのが一番

犬のキャリーバッグは、ケージやクレートに近い「ハードタイプ」と、バッグ感覚で使える「ソフトタイプ」の二種類に大別できます。

使用する場面によってハードとソフトを使い分けると、キャリーバッグはより便利なアイテムとして活躍してくれるでしょう。

ハードタイプのキャリーバッグ

ハードタイプのキャリーバッグは、しっかりとした作りで安定感に優れているのが特徴です。そのため、車での移動に最も向いています。

シートベルトで固定できるタイプなら、万が一急ブレーキをかけても愛犬の安全をしっかり守ることができてより安心です。さらに旅先ではハウスとしても使うことができるので、自動車を使った旅行ではかなり重宝するアイテムといえるでしょう。

しかし、ハードタイプは頑丈な分どうしても幅と重量がかさんでしまうため、飼い主さん自身が持ち運ぶ公共の交通機関を使った移動にはあまり向きません。

電車に乗車中は「キャリーバッグに入れた犬の顔が乗客に見えないこと」をルールにしている鉄道会社も多く、その点でもハードタイプはやや使いにくいといえます。

ソフトタイプのキャリーバッグ

ソフトタイプのキャリーバッグは、飼い主さんの持ちやすさが最大の魅力です。また、バッグの形状によって愛犬と飼い主さんが密着した状態で移動できることも、メリットの一つにあげられます。

不慣れな場所でも飼い主さんをすぐ近くに感じることができれば、愛犬の不安をやわらげることができますよね。

しかし、布製などの柔らかいキャリーバッグは形状そのものが安定しにくく、飼い主さんの動きに合わせてバッグが揺れると、犬が酔ってしまうことがあります。

また、チャックで蓋を閉めるタイプはハードタイプに比べてどうしても通気性が悪くなりやすく、長時間の移動には向きません。そのため、ソフトタイプは短時間の移動やカフェの利用といった、基本的にあまり歩き回らない外出時に最適です。

キャリーバッグを愛犬が落ち着ける空間にするには

動物病院に行くときだけキャリーバッグを引っ張り出していたら、愛犬は不安な気持ちでキャリーバッグと動物病院を結びつけてしまいます。すると、よほどの動物病院好きでもない限り、キャリーバッグを「イヤなもの」として認識することに。

こうなると便利な機能がたくさんついたキャリーバッグも、せっかくのポテンシャルを活かすことはできません。

嫌がる愛犬を無理矢理押し込むような使い方ではなく、愛犬自身が進んでキャリーバッグに入りたくなるような環境を作ってあげましょう。

そのためには日頃から室内にキャリーバッグを出しておき、オヤツやオモチャを与えるのはキャリーバッグの中だけにするのが一番。また、キャリーバッグの中にいる時は絶対に叱らないと決め、キャリーバッグの中を愛犬のいわば「安全地帯」にするのです。

これができると旅行中はもちろん、なんらかの事情で家をあけなければいけない時――たとえば災害で避難所生活を送っているといった緊急時も、不安になりがちな愛犬の精神的ストレスをかなり軽減できます。

愛犬が不慣れな場所でも落ち着いていられれば、飼い主さん自身のストレスをやわらげる効果も期待できますよね。

室内でキャリーバッグを使うなら床のキズに注意

室内でキャリーバッグを使っていると、いつの間にか床を傷つけていることがあります。

特にキャスター付きや底面に鋲がついているタイプのキャリーバッグは要注意。気づかないうちにひっかき傷だらけになっていた、ということもあります。

キャリーバッグを置くスペースだけカーペットやラグを敷くのは簡単な方法ですが、せっかく愛犬と同じ空間で暮らしているのです。

傷ができるたびにため息を吐くぐらいなら、いっそのこと床をまるごとひっかき傷やへこみに強い材質に変えてしまいましょう。長い目で見れば、これぞドッグライフを充実させる決定版です。

いまや床材はかなりの進化を遂げています。一見するとよくある鏡面調フローリングでも、実は傷も汚れもつきにくい床材や、傷どころかワックスがけすら必要のない床材まであるほどです。

愛犬が走り回ろうが、お子さんがジュースをこぼそうが、目くじらを立てる必要はありません。そう考えると、思い切って床材を変えるという選択はアリですよね。

犬のキャリーバッグは安全性と使い勝手の良さがポイント

犬のキャリーバッグにはさまざまなタイプがあります。まずはどのような場面で使いたいのか、使う可能性が高いのかをしっかり考えることから始めましょう。

電車や飛行機などの公共交通機関を利用する場合は、必ず利用規則を確認してからキャリーバッグを選んでください。そこを怠ると、肝心な時に使えない可能性も…。

また、サイズや安全性を第一に考えるのはもちろんですが、飼い主さんの使い勝手も重要なポイントです。これぞという犬のキャリーバッグは、間違いなく飼い主さんの労力を軽減してくれますよ!