いつかは訪れるペットとの別れ。かけがえのない時間を一緒に過ごしてくれたペットを見送った後は、感謝の気持ちを込めて弔いをすることでしょう。
しかし、ペットの霊園は身近にあっても、人間と形式が同じなのかどうかが分からない場合も多くあります。
今回は、多様化しているペット霊園と弔いについて紹介していきます。

ペット霊園とは?

ペット霊園とは、ペットの火葬やペットの骨を合同、または個別で納骨できる場所を指します。
昔はペットが亡くなった場合、土葬が一般的でしたが、野生動物に荒らされたり、衛生上の問題が発生したり、自宅の敷地に埋葬する場所がないなどの理由でペット霊園が世の中浸透しました。
人間と同じようなスタイルで弔えることが多く、家族同然のペットを手厚く弔いたいと考える方に多く利用されています。

ペットの霊園は自治体や民間によって運営されている

ペット霊園は、区や市などの自治体が運営している場合と、民間が運営している場合の2種類があります。
主に違うのはペットに対する考え方やサービス、料金です。それぞれどう違うのかをみていきましょう。

自治体

自治体の場合、多くの場合は合同火葬で行われます。申込は役所の畜犬課などに申請し、利用の予約が必要です。
合同火葬が一般的なので、個別にお墓を持ったり、納骨堂に納めたりすることはできません。
自治体のペット霊園の場合、ペットの遺体は法律に則って一般廃棄物での扱いになります。
自治体にもバラつきがあり、ペット霊園として運営している場合と、清掃局に持っていって引き取ってもらう場合もあります。
料金は安価ですが、遺骨が帰ってこない場合がほとんどです。

民間

民間が運営しているペット霊園は、個別のお墓や納骨堂、合同など選べるのが特徴的です。
火葬スタイルも様々で、持ち込んで火葬してもらう場合や、自宅に引き取りに来て火葬をする場合があります。
自治体に比べると価格は高い傾向にありますが、オリジナルの心がこもった弔いが可能です。
申込は、電話やホームページからすることが多く、お互いのスケジュールが空いていればすぐ対応してもらえるフットワークの軽さも魅力です。

お墓タイプも人間と同じくらいの種類がある

ペットのお墓と一口にいっても、人間と同じように多くの種類があります。

個別のお墓

人間と同じように、ペット霊園内にお墓を建てることをいいます。
ペット霊園により建てられるサイズも様々。
お墓は数万円~数十万円と金額にも幅があります。
デザインも様々あり、好みによりオリジナリティのあるお墓も建てられます。

納骨堂

ペット霊園の納骨堂に場所を借りてペットの遺骨を納骨することをいいます。
場所や大きさにより料金が違いますが、室内にあるので、いつでもお参りできるのが特徴です。
生前大好きだったおもちゃやおやつなどを供えられることが多いので、よりペットを身近に感じられます。

合祀

ペット霊園の合祀は、人間同様モニュメントなどがありそこへ火葬した遺骨を納骨することをいいます。
個別の遺骨が手元に残しておけませんが、永代供養がある場合が多く、末永く供養をしてもらえるという安心感があります。

樹木

ペットの遺骨を樹木の下へ埋めて、個別のお墓の代わりに樹木自体がモニュメントとすることをいいます。
モニュメントにするシンボルツリーは日本人になじみ深い桜が多い傾向です。
ペット霊園により違いはありますが、個別に木を植えるタイプと、合祀のモニュメントとして1つの木の下に多くのペットの遺骨があるものの2つがあります。
樹木での納骨は、近年のSDG’sをきっかけに持続可能なお墓として多く取り入れられています。

ペット霊園を決めるポイント

ペット霊園は自治体や民間があり、ペットのお墓も様々なものがあると解説してきましたが、結局のところどれが良いかは飼い主さまが決めることです。
ここでは、ペット霊園を決める際にどんなことを気にすればよいかなど、ペット霊園を決めるポイントをみていきます。

・お墓のタイプが選べるか

ペットの弔いをするためのペット霊園には、個別のお墓や納骨堂など多くの納骨先を用意しています。
ペット霊園によっては、決まった形のみのお墓しか選べない場合もあるかもしれません。
ペットの弔いをするためのお墓なので、好みのお墓が選べるようなペット霊園を選ぶと良いでしょう。

・アクセスしやすい場所か

ペット霊園は年に数回訪れる機会がある場所です。
飼い主さま達がいつでもいけるような場所にペット霊園があると、ペット達も喜ぶはずです。
ペット霊園の候補が複数出て来た場合は、アクセスしやすい場所にペット霊園があるかどうかを基準に考えてみると良いでしょう。

・園内の雰囲気はどうか

ペット霊園を決める際、自分達にストレスのない場所かどうかを見極める必要があります。
例えば、霊園内がとてもキレイに清掃されていたり、管理者の方が笑顔で出迎えてくれたりなど、小さなことですが、長くペット霊園とお付き合いする上では園内の雰囲気や環境は重要です。
ペット霊園の候補が決まったら、見学も兼ねて雰囲気を確かめてみることをおすすめします。

・火葬や葬儀に対応しているか

ペット霊園では、火葬や葬儀に対応しているかどうかも選ぶポイントの1つです。
ペットにもしものことがあった際、葬儀~納骨まで対応してくれるペット霊園は頼りになります。
今後の付き合いを見据えてペットの火葬や葬儀に対応しているかどうかを確認すると良いでしょう。
また、他の場所で葬儀や火葬をした場合、そのペット霊園で受け入れてもらえるかなども一緒に確認することが大切です。

ペット霊園ではなく自分の菩提寺に埋葬できる?

ペット霊園を探す時、ふと頭をよぎるのは、自分の菩提寺にペットの埋葬が可能なのかどうかです。
最近では、ペットと一緒に入れる納骨堂があったり合祀があったりとペット好きなら嬉しいお寺もあります。
しかし、ご自身の菩提寺がペットを受け入れてくれるかどうかは別問題です。まずは菩提寺にその旨を相談しましょう。
また、家族代々のお墓の場合、単独で決めてしまうとトラブル元になってしまいます。
トラブルを回避するために、親戚にも相談してペットのお骨を一緒に納骨しても大丈夫かどうかの確認をとってみてください。

弔いは霊園だけとは限らない

必ずしもペットが亡くなったらペット霊園に遺骨を納めるという決まりは本来ありません。
人間でも同じように、納骨するまでの期間は個人によって委ねられるので、自分のところに遺骨を保管して供養をしても問題はありません。
ペット霊園に遺骨をしているけれど、自宅で写真を飾って供養をしたい場合には、ペット用の仏壇を探してみるのもおすすめです。
最近ではお部屋のインテリアに合わせたデザイン性の高い仏壇もあり、来客が来ても仏壇とは思われないほど。
自宅のメモリアルブースを作ればいつでも手元供養が可能です。

弔いの仕方は自由だからこそ話し合いでしっかり決める必要がある

ペット霊園は、ペットの冥福を祈る場所です。
様々なお墓のタイプやペット霊園の方針があるため、数ヶ所のペット霊園を候補にあげてみるのもよいでしょう。
ペットが亡くなった後、どんなペット霊園を利用するのか、自宅で供養をするのかなど、家族でしっかり話し合い納得した上でペット霊園を決めてください。
ペットの冥福を祈る気持ちは家族であれば同じです。
しっかり話し合ってペットが一番喜びそうな方法を選択してみてください。