いつも食事の時間を心待ちにしている愛犬が突然、ご飯を食べなくなってしまった経験は、一度はあるのではないでしょうか。

なぜ急に食べなくなったのか、何か病気にかかっているのではないかなど、飼い主さんはとても心配になりますよね。

動物病院への受診が必要な場合もあれば、病気以外の原因で食べないこともあります。原因はどんなことがあるのか、確認していきましょう。

この記事では愛犬がご飯を食べない原因とその対処法4つに分けてご紹介していきます。

ストレスが原因でご飯を食べない時の対処法

環境の変化や運動不足などによって、犬がストレスや不安を感じていることもあります。

このような場合には原因を特定して、ストレスや不安の原因を取り除いたり、気持ちに寄り添ってあげたりすることが重要となります。

ストレスの原因となりそうなものは下記の通りです。

・環境の変化(引っ越し・模様替え・家族やペットが増える・進学や就職などで家族が家を出る)
・飼い主同士の不仲や喧嘩など
・運動不足や過度な運動
・加齢や体調不良・疾患など
・ペットホテルへの宿泊
・地震や雷などの大きな物音や、恐怖を感じる経験

引っ越しや恐怖の経験など、原因を取り除くことができないものについては、普段以上に甘えさせてあげたり、一緒に遊んだりするなどの対策が効果的です。

ストレスの解消についても時間がかかってしまう場合がありますが、気長に対応することで食欲が戻ってくるでしょう。

わがままが原因でご飯を食べない時の対処法

犬は「かまってほしい」気持ちから、ごはんを食べずに遊びたがる時があります。

一般的には「わがまま」とされる行動です。

このようなわがままに対する最善の対処法は、様子を見ることです。

ごはんを食べないからと言っておやつを上げてしまうと、ごはんを食べずにおやつばかり欲しがるようになってしまうことがあります。

おやつは、少量にとどめるようにしましょう。

また、ごはんを出すときに、万が一犬が食べなくても10分~15分程度を目安に器を下げるようにしましょう。

ごはんを出しっぱなしにしてしまうと「いつでも食べられる」と犬が判断をして、結局ごはんを食べなくなってしまうことがあるからです。

やや長期戦になってしまうこともありますが、このように様子を見ながら犬のわがままについては対処していきます。

わがままなのか、病気や体調不良なのかの見極めが難しい部分なので、判断のためのポイントを3つ紹介します。

・普段通り元気にしている
・下痢や嘔吐などの症状が出ていない
・水やおやつは口にする

これらの場合には、病気というよりわがままの可能性が高いといえます。

ただし、少しでもいつもと様子が違う場合には、動物病院の受診をおすすめします。

病気が原因でご飯を食べない時の対処法

犬がご飯を食べないとき、一番心配になるのが病気です。

異変に早く気が付くことが、病気の早期発見につながります。

特に子犬や老犬、闘病中の犬など、体力のない犬がまったく食べないときは注意が必要です。

水を飲まない

水も食べ物もまったく受け付けない状態は、病気の可能性が高いです。口の中に傷があったり歯周病の場合もあります、口の中もチェックしましょう。

嘔吐をする

ご飯を食べていないのに嘔吐をしている場合は、注意が必要です。

吐いた物が胃液か胆汁かなどを判断するのは難しいので、嘔吐物の色や状態や回数や時間ををメモしたり、スマホで撮影したりしておくと診察で役立ちます。

下痢をしている

下痢をしている場合も嘔吐と同様に、便の色や状態、回数や時間ををチェックしておきましょう。

可能であれば、便を動物病院に持参すると、病気を見つける参考になるかもしれません。

元気がない、ぐったりしている

いつもは元気な犬が、食べない、呼んでも来ない、家具や部屋の隅に隠れる、元気がない状態のときは、病気や熱があったり、体の痛みを感じていたりすることがあります。

これらの症状以外にも、いつもと違う様子があれば早急に受診しましょう。

加齢が原因でご飯を食べない時の対処法

老犬と暮らしている場合、ご飯を食べなくなってしまったらとても心配ですよね。

高齢期になると人と同様に犬も筋力や消化機能が低下し、徐々に食事の量が減っていきます。

ただし、病気が理由のこともあるので、日ごろから注意して観察をしましょう。

筋力や代謝、消化機能の低下

老化によって筋力が衰えると、散歩で歩ける距離も短くなり痩せていきます。

必要となる運動量や1日のカロリー摂取量も少なくなり、代謝も消化機能も低下してくるため、高齢犬のご飯を食べる量が少なくなっていくのは自然なことです。

筋力の衰えにより、食べる姿勢を維持することがつらいため、ご飯を今まで通りに食べなくなることもあります。

味覚・嗅覚の衰え

味覚や嗅覚が衰えて感覚が鈍くなることで、食べ物への興味や食欲がなくなって今まで食べていたものを食べなくなることがあります。

ごはんを温めたり、ドライタイプの場合はお湯でふやかすと香りが立ち、食べるケースもあります。

歯や歯茎の衰え

歯周病や口内炎などの口腔内の問題から、硬いものを食べなくなる犬もいます。

頑固になる

老犬(シニア犬)は年を重ねるとともに、こだわりやわがままが強くなる傾向があり、食事を残したり食べなくなったりすることがあります。

お別れが近付いている

寝たきりになった老犬が、水も食事も食べたくないという反応をみせたときは、お別れが近付いているのかもしれません。

犬は死が近付いてきたときに、ご飯を食べなくなることがあります。

老化によって、愛犬の食が細くなってきたら、香りが立つようにいつものドッグフードを温めたり、やわらかい食事にするなど食べさせかたを工夫すると、食べるようになることがあります。

たくさん食べられない場合は、量を少なくして、食事の質を高めることもおすすめです。

ウェットタイプのごはんを好む犬は比較的多いです。

老犬はご飯を食べられないことで痩せて体重が落ちていきます。

こういった場合は、ご飯の時間にこだわらず、様子をみながら、食べたがる時間に食べられるものを少量ずつあげてください。

誤嚥を防ぐためにも、愛犬に合わせた食器台を使用して、頭を下げずに立った状態での食事をさせることが理想です。

しかし、筋力が衰えて寝たきりになり、食事介助が必要な場合は、犬の上半身を抱えるように起こすか、クッションや飼い主さんの体などを使って顔を起こして食器で食べさせてあげるか、シリコンのスプーンなどを使って少量ずつ食べ物を口に運んであげましょう。

お水を飲ませる時も同様です。

まとめ

犬がごはんを食べなくなってしまったときには、飼い主さんも大きな不安を感じるものです。

しかし、犬がごはんを食べない時には必ず原因があるので、原因を特定して対処や犬の気持ちに寄り添うように意識しましょう。