歳を重ねた犬の中には、散歩が難しくなる子もいます。そのような時に役立つのが、散歩カートです。
散歩カートのメリットは、老犬の負担を軽減し、安全に散歩を楽しめるだけではありません。
散歩カートの導入は、愛犬のQOL(Quality of Life)向上にもつながるといえるでしょう。
この記事では、老犬の介護に最適な散歩カートの選び方や使い方、メリットなどを紹介します。
老犬との生活をより豊かにするために、ぜひ参考にしてください。
Contents
散歩カートが必要な理由とデメリットの有無
歳を重ねても、犬にとって散歩は大切なリフレッシュの時間です。
しかし、体力の衰え具合によっては、散歩が難しくなることがあります。
散歩カートは、愛犬の体への負担を抑えながら外の空気を感じさせられる便利なツールです。
まずは、老犬が散歩しづらくなる理由や、散歩カートをとり入れる場合に考えられるデメリットを知りましょう。
老犬の散歩が難しくなる理由
老犬は、若い頃に比べてさまざまな体の変化が起こります。
関節炎や骨の変形、筋肉量の低下などにより、歩くのが困難になったり、長時間の運動が辛くなったりする犬も少なくありません。
また、視力や聴力の低下によって周囲の環境に戸惑い、散歩を怖がる場合もあります。毎日散歩させたくても、気軽に連れ出せないさまざまな事情が、老犬には生じるのです。
散歩カートにデメリットはある?
散歩カートは老犬の介護に非常に役立つアイテムですが、デメリットがないわけではありません。
たとえば、大型のカートは収納や持ち運びが大変だったり、公共交通機関を利用する際に不便だったりする場合があります。
さらに、犬によっては、カートに乗ることを嫌がる可能性もあるでしょう。
しかし、散歩カートのデメリットは、使用環境や愛犬に合ったカート選びや、時間をかけてカートに慣らすことで解消できる場合が多いため、心配しすぎる必要はありません。
散歩カートの選び方
快適な散歩のためには、愛犬にぴったりの散歩カートを選ぶことが重要です。
しかし、店やインターネット上にはさまざまな種類のカートがあるため、どれを選べば良いか迷ってしまう方も少なくありません。
ここからは、犬種や体重、ライフスタイルに合わせたカートの選び方を紹介します。
サイズ選びのポイント
散歩カートのサイズは、愛犬の体型に合ったものを選ぶことが大切です。小さすぎると窮屈に感じ、大きすぎると不安定になる可能性があります。 カートのサイズを選ぶ際は、犬種や体重、体長を基準にしましょう。
<サイズ選びの3つの基準>
・犬種別:小型犬や中型犬、大型犬など、まずは犬種に応じたカートを選びます。
・体重:耐荷重が愛犬の体重に合っているか確認しましょう。
・体長:カート内のスペースが窮屈すぎず、愛犬が快適に過ごせる広さであるか確認します。
3つの基準を満たすカートから、素材や機能性などを比較して愛犬にぴったりなカートを選びましょう。
素材選びのポイント
散歩カートの素材は、耐久性や通気性などに影響します。犬が乗る部分は、ナイロンで作られているものが主流です。
オールシーズン活用するのであれば、風通しの良いメッシュ素材が用いられているカートを選ぶと良いでしょう。
ただし、メッシュ部分に爪を引っ掛けると、破れてしまう可能性があります。
乗り心地や押し心地を重視するのであれば、タイヤの素材にも注目しましょう。
ゴムやEVA樹脂などでできた衝撃吸収性があるタイヤであれば、揺れが伝わりにくい傾向があります。
機能選びのポイント
散歩カートには、さまざまな機能が備わっています。ライフスタイルや愛犬の個性に合わせて、必要な機能が備わっているカートを選びましょう。
<散歩カートの主な機能>
・折りたたみ:収納や持ち運びに便利です。車で移動や旅行をする方は、折りたためるカートを選びましょう。
・収納スペース:カートによって差がある機能です。おやつや水筒、お散歩グッズなどを収納できるスペースがあると手荷物を減らせます。
・サスペンション:タイヤ部分に緩衝効果が高いサスペンションが装備されているカートは、乗り心地が快適です。
他にもブレーキや犬が入るコットの取り外しなど、カートによってさまざまな機能があります。
散歩カートの使い方
せっかく新しい散歩カートを購入しても、愛犬が乗るのを嫌がると、うまく活用できません。
ここからは、初めて散歩カートを使うまでに行いたい準備や、安全に快適な散歩を楽しむためのコツを紹介します。
初めての散歩に向けての準備
好奇心からすんなりカートに乗ってくれる子もいれば、警戒心から乗りたがらない子もいます。
まずは、屋外ではなく安心できる家の中でカートに慣れさせましょう。
カートの中にお気に入りのおもちゃやタオルなどを置くのも、愛犬がカートに乗りたくなる工夫の1つです。
しばらくカートに乗っていられたら、おやつを与える手もあります。
カートの中でおもちゃで遊んだり、リラックスする様子を見せたりするのを確認してから、屋外での散歩に挑戦しましょう。
安全対策の重要性
カートに乗っていたとしても、散歩中の安全対策は必須です。
カートの素材によっては、乗っている犬から周囲の状況を判断することが難しい場合もあります。
足腰が弱っている犬であっても、屋外で突然聴こえた大きな音などに驚いて、カートから飛び出してしまう可能性も否定できません。
飛び出し防止リードを必ず装着したり、お散歩用リードを持ち手に繋げたりして、愛犬の安全を守りましょう。
また、一部のカートには外からカートの屋根をロックできる機能もついています。
愛犬の個性に応じて、適切な脱走対策を行っておくと安心です。
カートを用いた散歩中の注意点
快適で安全な散歩を楽しむためには、気温に応じてカート内の環境を整えてあげることも重要です。
夏場は、カート内に熱がこもらないよう換気を行います。保冷剤や小型扇風機、クールマットなどのクーリンググッズを活用しましょう。
日中の散歩を避け、涼しい時間帯や日陰を選んで散歩します。愛犬と飼い主さんの健康のためにも、こまめな休憩と水分補給は欠かさず行いましょう。
一方で冬場は、カート内の寒さ対策として、暖かいブランケットなどを用意しましょう。
カートに乗っての散歩は、歩かないため体温が上がりづらいデメリットがあります。
防寒着を着せたり、毛布を掛けてあげたりして、愛犬が寒さを感じないよう注意しましょう。
雪や凍結など路面の状況にも目を配り、滑りづらい安全な散歩コースを選びます。
カートを用いての散歩の際は、季節を問わず平坦な道を選びましょう。
人混みや車が多い場所を避けると安心です。
愛犬がカートから降りたい様子を見せたら、少し歩かせてあげられるようなコースを選びましょう。
まとめ
散歩カートは年老いた愛犬のための移動手段ではなく、愛犬との絆を強め、豊かな時間を過ごすためのツールです。
愛犬が快適に乗れるカートを選べば、毎日の外気浴の時間がきっと楽しい気分転換の時間になることでしょう。
散歩カートを選ぶ際は、愛犬の体型や体重、そして飼い主さんのライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
また、定期的に愛犬の様子を観察し、カートに慣れていない場合は無理強いせず、少しずつ慣らしていくように心がけましょう。
愛犬と過ごす時間をさらに彩り豊かにするために、散歩カートはぴったりなツールです。