犬は人間よりも睡眠時間をたくさんとります。

しかし、初めて犬を飼う方のなかには、愛犬の睡眠時間は適切なのだろうかと心配する人も少なくありません。

そこで今回の記事では、犬の平均睡眠時間について解説します。

成長段階ごとに紹介しますので、愛犬の適切な睡眠時間を確認しましょう。

この記事を読むことで、犬の睡眠状況や環境、健康状態を判断するためのヒントが得られます。

犬に適切な睡眠時間を確保してもらう方法もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

犬の平均睡眠時間とは

犬の平均睡眠時間はどれくらいなのでしょうか?ここでは、犬の平均睡眠時間について成長段階ごとに確認しましょう。

子犬

生後から数ヶ月は、食事の時間以外はほとんど寝て過ごすのが一般的です。

生後2〜3ヶ月程度になると、活発化して起きている時間が増えてきます。

生後5ヶ月頃になると、睡眠時間は平均14~16時間程度と短くなりますが、成犬と比較すると、まだまだ睡眠時間が長いです。

しかし、生まれてから数ヶ月たつと、犬によって睡眠時間にバラつきが生じるので、愛犬をしっかりと観察して、十分な睡眠時間が取れているか判断しましょう。

あまり寝ない場合は、散歩や遊びで体を動かして、エネルギーを消費させると眠りにつきやすくなります。

成犬・老犬

成犬の場合、平均睡眠時間は12~15時間程度になります。

子犬と比較すると、睡眠時間がやや短いのが特徴です。

一方、人間と比較すると犬の平均睡眠時間は長いことがわかります。

成犬が活動するためには、1日の半分を睡眠に費やす必要があるということです。

しかし、犬が歳をとると横になって過ごす時間が増えていきます。

体力が衰えると、より多くの休息時間を必要とするためです。

そのため、老犬の睡眠時間は18~19時間程度となっています。

ただし、成犬も老犬も、体の大きさや犬種によって適切な睡眠時間が異なるので注意しましょう。

犬の睡眠時間が心配な時はどうすればいい?

犬の睡眠時間に懸念がある場合、どのように対処すればいいのでしょうか。

ここでは、睡眠時間によって考えられる犬の状態について確認しましょう。

寝すぎる場合

愛犬の睡眠時間が明らかに長いと感じる場合、体調不良を起こしている可能性があります。

食事や散歩の場面でも、いつもと違う様子でしたら動物病院で診てもらうようにしましょう。

また、新しい家に引っ越したばかりなど、外的環境に変化があると、犬はストレスを感じやすくなり、睡眠時間が長くなる傾向にあります。

ストレスによってホルモンに異常があると、甲状腺機能低下症を引き起こしたり、脳腫瘍によって嗜眠(しみん)と呼ばれる症状を起こしたりする可能性があるので、睡眠時間に関して異変を感じたら獣医師に相談することが重要です。

眠らない場合

人間よりも睡眠時間が長い犬ですが、睡眠時間が短い場合は睡眠環境に改善が必要なケースが多いです。

暗くて静かな睡眠環境を作れているか確認しましょう。

犬が快適に睡眠できるようにふかふかのマットなどを用意することをおすすめします。

また、睡眠時間が短い場合でも、犬が体調不良を起こしている可能性があるため注意が必要です。

痛みやかゆみによって睡眠に集中できなくなっているかもしれません。

さらに、犬が夜中に突然吠えるようになった、夜に活動するようになったなどの場合、認知症を引き起こしている可能性があります。

犬の睡眠に関して心配事がある方は、まず動物病院で診てもらうことが大切です。

犬に適切な睡眠時間を確保してもらう方法

犬に快適な睡眠をとってもらうにはどうすればいいのでしょうか?ここでは、犬に適切な睡眠時間を確保してもらう方法を紹介します。

暗くて狭い場所を用意する

犬が眠りにつきやすいように、暗くて狭い場所を用意しましょう

犬は元々、薄暗い環境の巣穴で生活していたためです。

例えば、クレートのような全面が囲われていてるハウスを用意するとよいでしょう。

光が入りやすいケージの場合は、周りを段ボールや大きめの布で囲ってあげることをおすすめします。

ただし、クレートを選ぶときは、犬が体勢を変えられるのに十分なサイズのものを選ぶことが大切です。

犬が狭い場所を好むといっても、狭すぎると体が疲れてしまいます。

また、クレートやケージを設置する際は、外部からの刺激を受けにくい場所を選びましょう。

トイレを別の場所に設置する

睡眠場所とトイレは別の場所に設けることが重要です。

犬は綺麗好きな動物であるため、トイレが近い環境だと落ち着かずに、眠ることができなくなってしまいます。

睡眠場所は定期的に掃除して清潔な環境を保ってあげましょう。

また、睡眠場所とトイレと離して用意することも重要なポイントです。

また、早い段階でトイレのしつけを行うようにしましょう。

犬のしつけ方法に関しては以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

犬をしつける重要性とは?注意点や基本事項を解説!

静かにする

犬が眠る時間は静かにすることを心がけましょう

騒音によって眠りにつけずに、睡眠時間が不足してしまうケースも少なくありません。

例えば、犬が寝ている間はテレビを消す、掃除機をかけるなど大きな音がする行為は避けるなど、犬が眠りやすい環境を作ることが大切です。

特に警戒心が高い犬は、人が通るなどのちょっとした物音で目を覚ましてしまうことがあります。

そのため、玄関など物音がしやすい場所から離してあげるようにしてください。

気温を調整する

音や光を調整するのと同様に、気温も犬が眠りやすいように調整しましょう

暑すぎたり、寒すぎたりすると、快適な睡眠をとることができません。

特に子犬や老犬は体温調整が上手くできない可能性が高いので、気温を配慮してあげることが大切です。

犬種や犬の大きさによっても快適な温度が異なります。

そのため、自分の愛犬が過ごしやすい気温をあらかじめ調べておくとよいでしょう。

犬と一緒に寝る際の注意点

犬と一緒に眠っている飼い主の方も多く見受けられます。

しかし、犬と一緒に寝る際に注意するべきポイントが多数存在するので、確認しておきましょう。

事故が起きないように気をつける

飼い主のベッドで一緒に眠る場合、事故が起きないように注意することが重要です。

特にサイズの小さい犬の場合、飼い主の寝返りの際に下敷きになってしまったり、気づかないうちにぶつかってしまったりしてしまう可能性があります。

そのため、犬の大きさが小さい場合は、飼い主と別の場所に睡眠場所を用意することをおすすめします。

また、ベッドから落下してしまうリスクにも注意が必要です。

万が一の場合、ベッドの周りに柔らかいマットやクッションを用意しておく、ある程度広さのあるベッドを用意するなど、事故を起こさないように工夫する必要があります。

シーツを頻繁に洗濯する

犬が飼い主のベッドで眠ると、犬の毛やよだれなどでシーツが汚れやすくなります。

そのため、シーツをこまめに洗うなどして、衛生面に気をつけることが大切です。

ベッドにノミやダニがうつってしまうと、飼い主が安心して眠れなくなってしまいます。

加えて、汚い状態のシーツの上で寝ていると、飼い主だけでなく、犬にも影響が出る可能性があります。

そのため、犬と一緒に眠る場合は、洗いやすいマットレスやシーツなどを選ぶようにしましょう。

犬がひとりで眠れなくなる

飼い主といつも一緒に寝ていると、犬がひとりで眠れなくなってしまう可能性があります。

外泊しなくてはいけない場合や災害時など、犬がひとりでも眠れるようにしつけておくことが重要です。

飼い主と一緒に眠れないことが原因で睡眠時間が減ってしまうと、犬の健康に不調をきたす恐れがあります。

睡眠不足は病気のリスクを高めるため、ひとりでも眠れるように一緒に寝る頻度を考えるようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、犬の睡眠に関して心配や不安に思っていることがある方に向けて、犬の平均睡眠時間について解説しました。

犬の睡眠時間が体のサイズや犬種、成長段階によって異なりますが、犬は基本的に人間よりも長く眠ります。

犬の睡眠時間が明らかに長い、短いなどの場合、病気の可能性もあるので、動物病院に相談することが大切です。

また、犬が眠りやすい環境を作ってあげることも重要になります。

明るさや音、気温など、犬が眠りやすいように調整しましょう。

愛犬と一緒に眠りたい場合、様々なリスクを回避するための工夫が必要です。

注意すべきポイントをしっかりと理解しておきましょう。