ペットとの別れを考えたくはありませんが、いつかは必ずやってきます。
ペットの葬儀は、これまで一緒に過ごしてくれたペットへの感謝の心と共に執り行う儀式の1つです。しかし、突然訪れることも多いため慌ててしまうことも多いでしょう。
今回は、ペットの葬儀で慌てないために、どのように進めていけばよいのか、葬儀の基本的な流れと相場感を解説していきます。
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ペット葬儀の歴史は約1世紀ほど前
ペットが亡くなって供養するという文化は大昔からありました。
古代エジプトでネコのミイラが埋葬されていたことや、縄文時代の遺跡から、犬の埋葬跡が見つかったことなど歴史的にも証明されています。
このことからもわかるように、長い年月犬やネコが大切にされていたことがわかります。
ペットの葬儀が生まれたのは、昭和20年代と言われています。
それまでは家畜や盲導犬の供養塔がお寺に建てられたり、檀家さんが飼っていたペットを供養したりなどペットの葬儀とは少し違うものでした。
昭和20代に東京に動物霊園ができ、飼い主さんの宗教は関係なく葬儀ができる場所ができたのです。
その後、ペットのブームの高まりと共に、ペットの葬儀は人間と同じようになくてはならない儀式の1つとなりました。
ペット葬儀には種類がある
私達人間に様々な葬儀のスタイルがあるように、ペットの葬儀にも種類があります。その中でもよく知られている4種類とその特徴を解説していきます。
合同葬儀
合同葬儀とは、自宅のペットの他に同じ時期に亡くなったペットを一緒に火葬し、葬儀をする方式です。
お骨は慰霊塔などに合わせて入ることになるので、お骨拾いはありません。合同で葬儀を執り行うため、費用は最も安価です。
立会い葬儀
立会い葬儀とは、出棺から納骨まですべての工程を飼い主立会いの元で執り行う葬儀をいいます。
人間の葬儀の工程とほぼ一緒なので、ペットをより丁重に送りたいときに行うことが多い葬儀です。
個別一任葬儀
個別一任葬儀とは、出棺から納骨までの流れは同じですが、飼い主さんが立ち会わない葬儀です。
そのため、飼い主さんは出棺の見送りで葬儀が終了となります。事前にお骨の扱いをどうするのかを葬儀スタッフと相談し、納骨先をどうするのかを決めましょう。
合同で火葬はしたくないが、すべての儀式に参加するのが難しい方に選ばれています。
訪問葬儀
訪問火葬は、ペットが火葬できる設備を兼ね備えた車で自宅または希望の場所へ訪問し、ペットの葬儀を行うスタイルのものです。
自宅や指定場所に来てくれるので、葬儀場へいくのが大変な方や、ペットとの思いでの場所で葬儀をしたい方が利用します。
ペット葬儀は公営と民営がある
ペットの葬儀をしなければいけないとき、まずは葬儀できる場所はどこなのかを調べます。
そのときに出てくるのは、自治体が運営している「公営ペット葬儀」か、各企業が運営している「民営ペット葬儀」の2つです。
どちらがどう違うのかを見ていきます。
公営ペット葬儀
自治体が運営している公営のペット葬儀は、主に合同葬儀で執り行っている場合が多いです。
そのため、立会いでお骨拾いや、お骨を持って帰ることはないパターンがほとんどです。
全体的に費用が安価だったり、自治体が運営しているため、鑑札などを持っていくと畜犬登録抹消を同時に行ってもらったりの手続きもできます。
しかし、平日のみ受付ている場合が多く、ペットのご遺体も直接持ち込みになる場合が多いです。
民間ペット葬儀
一般企業が運営している民営のペット葬儀は、様々な葬儀のスタイルを叶えることができます。
24時間いつでも連絡が取れ、自分達が考えるペットのための葬儀が実現できるでしょう。しかし、公営に比べると費用に幅があります。
そのため、葬儀社と相談をしてから葬儀という流れになり、葬儀までに多少のタイムラグが生まれてしまうのが難点です。
ペット霊園を備えているお寺なども同じように幅があります。
また、鑑札などの手続きはできないため、後日役所へいって手続きをしなければいけません。
ペット葬儀の基本的な流れ
ペット葬儀では人間の葬儀のように基本的な流れがあります。
初めてのペットとのお別れの場合、混乱する気持ちもわかりますが、悲しんでばかりではいられません。
一連の流れを知っておくことで、次に何をすべきなのかがわかり、多少は落ち着きます。
ここでは、民間の立会い葬儀の流れを紹介します。心を落ち着かせて、悔いのない最後を一緒に過ごしましょう。
① ペットを安置し業者に連絡をする
ペットが亡くなったと確信したら、ペットを家族が見守れる場所に安置しましょう。
大きな段ボールなどにタオルを敷き、さらにお腹に保冷剤を置きます。そのうえに布団をかけるように、さらにタオルをかけるとよいでしょう。
お花を入れたり、生前大好きだったおやつを入れたりしても大丈夫です。
その後、ペットの葬儀を請け負っている葬儀社へ連絡をします。
インターネットなどで情報をあつめ、日時や犬の大きさ、費用を確認し予約をします。
②葬儀当日業者に引き渡す
葬儀当日、遺体の引き渡しをします。ここで、葬儀社まで出向いての火葬なのか、葬儀社のスタッフが自宅を訪れ引き渡すのか、予約内容により違いがあります。
引き渡し後、これからの流れの再確認と火葬についての説明を受けます。
③火葬
遺体を見送った後火葬されます。ペットの種類によって大きさが違うので、お骨拾いまでの時間を伝えられます。
④納骨され、永代供養をする
火葬が終わったらお骨拾いをし、骨壺に納骨します。
納骨後、ペットの骨を納骨堂に納めるのか、個別でお墓を作るのか、自宅へ持って帰るのかなどが選択しましょう。
ペット霊園の場合、僧侶による読経法要などがあり、永代供養をしてもらえます。
また、お骨を一部残しメモリアルグッズに取っておき、他の部分は合同墓地に納骨するという方法もあるので、お好みの方法で供養をしましょう。
ペット葬儀の費用の相場
ペット葬儀で気になるのは費用ですよね。ペット葬儀は、ペットの大きさによっても金額が変わります。
各葬儀社によって若干の違いはありますが、一般的な相場を見ていきましょう。
合同葬儀なのか、立会いなのかでも金額が変わってくるので、詳細な金額は葬儀社へ問いあわせてみてください。
極小:15,000円~20,000円
ハムスターや、フェレット、モルモットなど小さな1キロ~2キロくらいまでのペットを指します。
小型:24,000円~28,000円
ネコやウサギ、チワワやポメラニアン、シーズーくらいまでの2キロ~10キロくらいまでのペットを指します。
中型:27,000円~38,000円
柴犬や、ボーダーコリーなど、中型犬とされる10キロ~20キロくらいまでのペットを指します。
大型:42,000円~55,000円
ダルメシアンやハスキー、ゴールデンレトリーバーなど、大型犬とされる20キロ~35キロくらいまでのペットを指します。
超大型:62,000円~68,000円
秋田犬や、ドーベルマン、セントバーナードなど、35キロ~40キロのペットを指します。
ペット葬儀での気になることは?
ペットの葬儀にはマナーがあるのか、NGな行動はあるのかなど気になることも多いですよね。
ここでは、ペット葬儀でのマナーなどについて触れていきます。
ペット葬儀の服装
ペットの葬儀は、家族間で行うセレモニーが多いため、人間の葬儀のように喪服でなければいけないなどの決まりはありません。
棺に入れてはいけないもの
ペットの棺には、燃えやすいもののみが入れられます。
そのため溶けてしまうプラスチック製品や、燃えないステンレスや金属製のものは入れられません。
役所への手続きは?
公営のペット霊園でのセレモニーであれば鑑札や狂犬病の注射票を返還すると手続きができる場合がありますが、民間の葬儀社の場合は役所への手続きは飼い主が行います。
まとめ
ペットの葬儀は、ペットと一緒に過ごしている限りいつかは必ず訪れてしまいます。
深い悲しみの中でも「ありがとう」の気持ちを添えて旅立ちを見送るのも飼い主の勤めです。
ペットの葬儀は様々なものがあるため、家族で話合い最適なセレモニーをしてあげてください。