人間ほどではありませんが、犬もしゃっくりをすることがあります。多くの場合、自然なことなので心配いらないケースがほとんどですが、中には病気のサインである可能性も。
今回は犬のしゃっくりの原因や止め方、隠れている可能性のある病気についてもご紹介します。愛犬のしゃっくりに悩んでいる方は本記事を参考にして対処してみてください。
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犬のしゃっくりの原因
犬のしゃっくりの原因としていくつか考えられるケースがあります。日頃の様子を観察して、該当するものがないかチェックしてみましょう。
食べるのが早すぎて胃が広がってしまうから
「犬食い」という言葉があるくらい、犬は基本的に早食いです。しかし、あまりに早すぎるとしゃっくりの原因になってしまうことも。
特にドライフードは胃の中で膨張する性質があるので、急速に食べると横隔膜を刺激してしまうのです。
また、早食いであればあるほどフードと一緒に空気も入ってしまうためそれも原因の一つに。
食事の後にしゃっくりが出る場合は早食いの可能性が高いと言えるでしょう。
餌が合っていないから
ドッグフード一つとっても、犬種別タイプや年齢別、体質別タイプなど様々な種類があります。
フードが合っていないと消化に時間がかかってしまったり、胃の中でガスが発生してしまったりして、横隔膜に余計な刺激を与えてしまう可能性が。
早食いでもないのに食後にしゃっくりがある場合はこのケースが考えられるので、フードチェンジを検討してみてください。
胃が冷えてしまっているから
水を飲みすぎたり氷を食べたりすると、一気に消化器系が冷やされてしまうので横隔膜に余計な刺激を与えてしまいます。
結果としてしゃっくりが起きやすい状態になってしまうので、夏場で暑がっているときもあまり冷たいものをあげすぎないようにしましょう。
また、普段のフードを与える際、水でドライフードをふやかしている場合は温度が常温であることを確認してから与えるようにしてみてください。
ストレスを抱えているから
消化器系は自律神経が関わっているため、ストレスの影響を強く受けます。
運動不足や留守番などからくる不安、急激な寒暖差でもストレスがかかり自律神経に影響を及ぼすことも。
これが原因でしゃっくりが出てしまうケースがあるのです。
しゃっくりが出るより前に愛犬がどんな風に過ごしていたかを振り返り、いつもと違うような状況にあったとすればストレスの可能性を疑ってみましょう。
犬のしゃっくりの止め方
しゃっくりを止めるには驚かせるとよい、水を飲ませるとよい、といった方法がよく挙げられますがこれは犬にも有効なのでしょうか。
犬のしゃっくりの止め方をいくつか紹介しますので参考にしてみてください。
水やおやつを与えてみる
水やおやつを食べることで不安やストレスから気がそれてしゃっくりが止まる可能性があります。
目的は食べることではなく気をそらすことなのであげすぎないように気を付けてください。
また、早食いやがぶ飲みをしてしまうと逆にしゃっくりを誘発させることになりますので、そのようにならないよう与え方にも注意を払いましょう。
喉ごしの良いものや、舐めて食べるような形状のおやつなどがおすすめです。
散歩やおもちゃ遊びなど軽い運動をさせる
人間も何か別のことに集中したり意識が他へ向いたりするとしゃっくりが止まることはありませんか?
犬も同じで、散歩やおもちゃでの遊びなどで気を紛らわせることにより、しゃっくりが止まることがあります。
軽い運動だけでなく匂いや音など、五感を刺激するのも効果的です。
いろんな匂いをかがせてあげたり、飼い主が名前を呼んでトレーニングをしたり、コミュニケーションをとっているうちにいつの間にか止まるかもしれませんよ。
おなかのマッサージをする
しゃっくりは横隔膜のけいれんによるものなので、優しく腹部をマッサージしてあげるのもおすすめです。
このとき、むりやりおなかを触ろうとするとかえってストレスになってしまう可能性もあるので、愛犬が十分にリラックスした状態で行ってください。
腹部はデリケートな場所なのでいきなり触らず、まずは撫でやすい別の場所から始めて、徐々に腹部を撫でてあげるのがおすすめ。
こうしたリラックス状態は自律神経を整えるのにも良い効果があるので、日常的にこういった機会を設けるのもよいでしょう。
犬のしゃっくりの予防法
日ごろからしゃっくりを起こしやすい愛犬には予防する習慣作りも重要になってきます。
簡単に取り組める予防法を紹介しますので、かかりつけの獣医さんとも相談しながら取り入れてみてください。
食事の量を減らし回数を増やす
早食いによって急激に胃が広がってしまうことが原因でしゃっくりが出てしまう場合は、一回の食事量を減らし回数を増やす方法がおすすめです。
一度の食事で入ってくる量が少なくなることで胃の拡張をいくらか抑えることができます。
また、食べるペースを遅くさせる工夫も有効です。ぬるま湯であらかじめフードをふやかしておいたり、フードを皿へ平らに盛り付けたりするだけでも違うので試してみてください。
餌を変えてみる
フードの種類が合っていない場合は変えてみるのも一つの手です。
同じメーカーでも犬種別や年齢、体質別になっているものもあるので、いくつか試してみるのもよいでしょう。
何を選んでいいかわからない場合はかかりつけの獣医さんに相談してアドバイスをもらうのもおすすめです。
フードチェンジのときはいきなり全量変えず、従来食べていたフードと混ぜて少しずつ割合を変えていくようにしましょう。
不安やストレスを減らす生活スタイルを心がける
自律神経の乱れからくるしゃっくりの場合は、日ごろから愛犬がストレスや不安を感じにくい生活にしてあげることが大切です。
定期的な運動やしつけによって良好な関係を作り、人間にとってではなく犬にとってストレスのない生活を目指しましょう。
犬のしゃっくりの重篤な病気の可能性は
多くの場合が自然現象であるしゃっくりですが、中には重篤な病気のサインである場合があります。
考えられる病気をいくつか紹介しますので心配な方はかかりつけの獣医さんに相談してみてください。
胃の病気
胃が膨張するような病気は、症状としてしゃっくりが出ることがあります。
胃炎や胃の腫瘍、胃捻転、胃拡張などは痛みや腹部の張りやよだれを伴いながらしゃっくりが出ますので、そういった症状がみられた場合はすぐかかりつけの獣医さんに診てもらいましょう。
胸の病気
胸の病気として挙げられるのが、肺炎や気管支炎といった呼吸器の病気です。
これらの病気は症状としてしゃっくりが出ることがあります。
また、心臓肥大、心タンポナーデ、心膜炎といった心臓系の病気も、横隔膜を刺激するのでしゃっくりを伴うことが。
いずれにせよ命に関わる病気なので、様子がいつもと違う場合はすぐかかりつけの獣医さんに診てもらうようにしてください。
脳の病気
しゃっくりが出る脳の病気で代表的なのがてんかんです。
てんかん発作を持つ犬はよくあるので、かかりつけの獣医さんに相談し対策をとってみてください。
また、てんかん発作を伴う脳腫瘍などの危険な病気もあるので、いつもよりも発作が長かったり様子がおかしいと思うときはすぐ獣医さんに連絡しましょう。
まとめ
犬のしゃっくりの原因は、多くの場合早食いやフードの相性、ストレスといった日常生活の改善で解決できるものです。
しゃっくりが出てもあわてずに様子をみて対処しましょう。
ただし、まれに重大な病気が潜んでいる可能性もあります。
あまり頻繁に続く場合や、しゃっくり以外の症状がある場合など、少しでも異変を感じるようであればすぐかかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね。