愛犬が足先や足の裏をやたらとペロペロと舐めていたら、なんだか気になりませんか?
犬が体を舐める行為は基本的に自然なことですが、あまりに同じところばかりしつこく舐めているとしたら、そこには必ず理由があるはずです。
犬の足舐めには重大な原因が隠れていることもあるため、気になったらすぐに原因を確かめましょう。
このコラムでは、犬が足を舐める原因について解説しています。
Contents
まずは愛犬が舐めている部分とタイミングを確認
愛犬がやたらと足を舐めるようになったら、まず最初に確認するのは次の3つです。
1. 足のどのあたりを舐めているか
愛犬がペロペロしているのは、足のどの部分なのかをしっかり確認しましょう。
足先や肉球だけではなく、指の間や爪を舐めていることもあります。
足裏や足先の被毛が伸び過ぎていると、原因を見逃してしまいがち。
特定の足ばかり舐めているなら、被毛をかきわけて奥までしっかり観察することが大切です。
2.重点的に舐めている部位に傷や赤みは生じていないか
やたらと舐める部位が特定できたら、皮膚の赤みや傷ができていないかをしっかり確認しましょう。
肉球の谷間や指の間、爪や爪の根元といった見つけにくい場所に原因が隠れていることもあります。
トゲなどの異物が刺さっている可能性もありますので、指の1本1本を広げて丁寧に見ていくことが大切です。
3.足を舐めるタイミング
愛犬が足を舐めるのは、どのようなタイミングなのかを観察しましょう。
一時的に舐めているだけなら、それほど心配する必要はありません。
しかし、ずっと足を舐め続けているとしたら、そこには必ず理由があるはずです。
これといってケガや皮膚病の兆候が見つけられない場合も、精神的な原因があるのかもしれません。
かかりつけの動物病院を受診し、獣医さんに相談することをおすすめします。
犬が足を舐める理由①メンタルに原因がある
寂しい、不安といったメンタル的な理由で犬が足を舐め続けることは、実は珍しくありません。
愛犬がよく舐める部位に外傷や皮膚病が見られないとしたら、原因をメンタル面に切り替えて考えてみましょう。
単に暇つぶしで足を舐めているだけなら、様子見をしても大丈夫です。
また、犬は眠くなると足を舐めることがありますが、これも全く問題のない足舐めといえるでしょう。
しかし、何か原因になりそうなことに思い当たったら、できるだけリラックスして過ごせるように環境を見直すことが大切です。
退屈・暇つぶしで足を舐めている
犬は退屈を感じている時、暇つぶしに足を舐めることがあります。
このところ愛犬と触れ合う時間が短かったと思い当たったら、できるだけ散歩に連れ出したりオモチャで遊ぶなどし、犬の気持ちが上向きになるようにしてあげましょう。
しかし、どうしても留守番させる時間が長くなることもありますよね。
そのような時はオヤツを仕込むタイプのオモチャを利用するなど、留守番の時間を楽しく過ごせる工夫が必要です。
緊張を鎮めようとして足を舐めている
犬は緊張したり怖いと感じたりした時にも、気持ちを落ち着かせようとして足を舐めることがあります。
たとえばイタズラを隠したい時などは、叱られるのではないかという不安から足を舐めてしまうのです。
緊張を鎮めようとする場合、多くは前足をペロペロします。
この行為に気づいたら、イタズラを叱るにしても、あまりきつく叱り過ぎないようにしてあげましょう。
精神的なストレスで足を舐めている
犬はなんらかの原因で精神的に強いストレスを感じると、しつこく足を舐めることがあります。
● 引越しをした
● 新たに子犬を迎えた
● 同居犬が亡くなった
● 飼い主の家族構成が変わった
● 飼い主が変わった
● 飼い主家族の不仲
その他にも、工事などの聞き慣れない音や花火・雷なども、犬にとっては強いストレスの原因となります。
精神的なストレスで足を舐めていると、足を噛むようになったり舐め過ぎた部分が炎症を起こしたりと、自分自身を傷つける行為にエスカレートすることがあるため注意が必要です。
犬が足を舐める理由②ケガ・皮膚病
足になんらかの違和感があると、犬はその部位をしつこく舐めることがあります。
痛みが原因で足を舐めている
なんらかの原因で足に痛みを感じていると、その部位や周辺をペロペロと舐め続けることがあります。
● 骨折・打撲・捻挫
● 肉球に擦り傷や切り傷がある
● 肉球を火傷している
● 爪が折れている
● 肉球や指間に異物が刺さっている
ちょっとした切り傷・擦り傷は特別な手当をしなくても治ることがほとんどですが、骨折・打撲・捻挫などに思い当たった場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
痒みが原因で足を舐めている
痒みを感じていると、犬はしつこく肉球・指・指間などを舐めたり噛んだりすることがあります。
● アトピー性皮膚炎
● アレルギー性皮膚炎
舐めている部分の皮膚が赤くなっている、部分的に脱毛が起きているといった症状に気づいたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
なんらかのアレルギーが原因の場合、アレルゲンから遠ざけないと足舐めを含めて症状はよくなりません。
また、散歩で草むらを歩いたり、山や川などアウトドアで遊ばせた後に足を舐めるようになったら、ダニや虫刺されが原因ということも考えられます。
犬が足を舐める理由③病気
犬は足に痺れや麻痺などの違和感を覚えると、足をしつこく舐めることがあります。
● 後ろ足を舐める → 椎間板ヘルニアの疑いあり
● 前足を舐める → 脊椎や脊髄になんらかの障害が生じている疑いあり
● 前足あるいは後ろ足を舐める → 舐める方の足に血栓塞栓症の疑いあり
椎間板ヘルニアといえば、腰痛や歩けなくなるといった症状を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、腰椎の椎間板ヘルニアは後ろ足の神経が麻痺してしまうため、痺れや違和感で後ろ足を舐めたり噛んだりするのです。
また、関節に痛みがある場合も、犬は患部を舐めることがあります。
● 関節炎
● 関節リウマチ
犬が足を舐める姿はそれほど珍しいものではないため、なんとなく見過ごしてしまうこともあるでしょう。
しかし、愛犬が足を舐めている原因を深く考えずに見過ごしてしまうと、病気の発見が遅れてしまうこともあります。
その結果、気づいた時には症状が進んでいることも…。
何かおかしいと感じたら、迷わずかかりつけの動物病院を受診してください。
こんな症状が見られたらすぐに動物病院を受診しましょう
愛犬が足を舐めているのが気になっても、すぐに動物病院を受診するべきか判断に迷うこともありますよね。
もしも次のような症状に気づいたら、できるだけ早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
● 肉球・指・指間が真っ赤に腫れあがっている。
● 舐めている足を引きずっている、あるいは地面に付けようとしない。
● 関節が腫れている、あるいは熱を持っている。
● 舐めている部分の毛が抜けている。
● 足が震えている。
● 足先や肉球がいつもより冷たい。
愛犬の足がおかしいと感じたから動物病院に飛び込んだのに、結果としてそれほど心配する必要はなかった、ということもあります。
しかし、空振りは決して恥ずかしいことではありません。
一番避けたいのは足舐めが実は病気の兆候で、それを見過ごしてしまうことではないでしょうか。
足を舐めるのは愛犬が発しているサイン
退屈や運動不足、不安なことがある、痛い、痒い…等々、時として足を舐める行為は犬が発しているSOSのサインです。
犬が足を舐めるのは普通のことだからと見過ごさず、「なぜ舐めているのだろう?」と理由を考えてみましょう。
愛犬の心と体の健康は、私たち飼い主の手にゆだねられています。