愛犬の無駄吠えは、犬のお悩みランキングで常に上位にランクインしています。どんなに愛犬が可愛くても、誰かが来るたびにワンワン吠えたててしまったり、お散歩の途中で大騒ぎされてしまうと、ほとほと困ってしまいますよね。
犬がうるさいと感じるほど吠えてしまう理由の一つには、犬種としての特性があるといえるでしょう。
しかし、犬が吠える原因はそれだけではありません。生活環境や飼い主の行動が、時として愛犬をうるさい犬にすることもあるのです。
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犬がうるさいと感じてしまうのはどんな時?
犬は基本的に吠える生き物です。そのことを理解していながらも、私たちが犬の鳴き声をうるさいと感じるとしたら、そこにはいくつか条件があるはずです。
①犬の鳴き声が近所迷惑になっている。
➁一般的に就寝している人の多い時間帯に鳴いている。
③犬の鳴き声が来客等との会話(コミュニケーション)の妨げになっている。
④興奮したときの鳴き声が甲高くて耳障りに感じる。
⑤鳴き声の音量が思っていた以上に大きく、遠くまで響き渡ってしまう。
上記の①~⑤は、どれも愛犬がうるさいと感じてしまう状況ですが、①➁③と④⑤には大きな違いがあります。
● ①➁③ → 生活環境やしつけ・トレーニング等の問題
● ④⑤ → 犬種特有の性質によるもの
とはいえ、愛犬がうるさいと悩んでいるお家では、両方の原因が絡み合って問題を生じさせていると考えるべきでしょう。犬種の特性だけでは片づけられないからこそ、愛犬がうるさいという悩みはいつの時代も厄介なのです。
犬種の特性としつけの問題は密接に絡み合っている
前項の①➁③のような状況は、しつけやトレーニングによって改善することが可能です。また、愛犬の生活環境を見直すことでも、改善できることはあるでしょう。しかし④と⑤に関しては、犬種の持つ特性と向き合う必要があります。
たとえば、現在飼育されている犬の7割以上は小型犬ですが、小型犬の声質は総じて高く、興奮して吠えたてた場合はどうしてもキャンキャンと甲高く響きがちです。
特にチワワやポメラニアンなどはそういった傾向が強く、見た目が小さくて可愛い分、興奮したときの声はよけいにうるさいと感じるのかもしれません。
また、牧羊犬や狩猟犬は体のサイズ感からは想像できないぐらいに声がよく響き渡ります。これは、広大な農場や猟場を駆け回りながら仕事をするためには必要な特性です。となると、牧羊犬や猟犬を家族に迎える前に、必ず知っておくべき事柄といえるでしょう。
もちろん、甲高い声の小型犬も、見た目以上に声の大きな牧羊犬や猟犬も、しつけやトレーニングで鳴き声を制御することは可能です。
このように犬がうるさいと感じてしまう状況は、犬個々の性格だけではなく犬種の特性や生活環境が密接に関わっているのは間違いありません。だからこそ、犬のお悩みランキングでも常に上位にランクインしてしまうわけですが…。
犬がうるさい!でも吠えるのにはちゃんと理由があるのかも
私たち人間が言葉で意思疎通を図るように、犬にとって吠えるという行為はコミュニケーションをとる手段の一つです。
しかし、人間社会の中では犬の意思疎通がときには無駄吠えと受け取られてしまうことも。それを「うるさい!」と一刀両断に切り捨ててしまうのは、愛犬がなんだか可哀そうな気がしませんか?
私たちがつい「うるさい」で片づけてしまう犬の鳴き声には、おそらくちゃんと犬達なりの理由があるはずです。なぜ鳴いているのかを理解することが、無駄吠えを防ぐ第一歩になるのは間違いありません。
何かしてほしいことがあるから吠えている
オヤツがほしい、散歩に行きたい等々、何かしてほしいことがあるから吠えているのかもしれません。愛犬が吠えるたびに要求に応えていると、「吠えれば良いことがある」と学習することになるでしょう。
一度ついてしまったクセを矯正するのは大変ですが、「吠えても良いことは起こらない」と根気よく教えることでリカバリーは可能です。
何かに警戒して吠えている
チャイムが鳴る、知らない人や犬とすれ違うなど、何かに警戒して吠えているのかもしれません。警戒している相手が吠えたことで追い払えたと勘違いさせないよう、吠えそうな場面ではオヤツなどを使ってあらかじめ吠えさせないことが大切です。
吠えないとご褒美がもらえるトレーニングを繰り返すことで、吠える必要はないと学習させましょう。
嬉しさのあまり興奮して吠えている
飼い主が帰ってきた時などに、嬉しさのあまり興奮し過ぎて吠えているのかもしれません。こんなとき、飼い主も嬉しくなってつい一緒にはしゃいでしまいがちですが、それでは犬の興奮はエスカレートする一方。
犬の興奮吠えを矯正するために必要なのは、飼い主が冷静に犬と向き合うことです。愛犬の興奮を短時間で鎮められるよう、「待て」や「伏せ」などを徹底させましょう。
イライラして吠えている
運動不足による肉体的なイライラや、飼い主にかまってもらう時間が少ないなどの精神的ストレスが原因で吠えているのかもしれません。
ストレス吠えを解消するには、ストレスの原因を取り除くことが大切です。毎日しっかり散歩や運動をさせ、充分なコミュニケーションをとることで精神的なストレスをためさせないようにしてあげましょう。
不安で吠えている
飼い主の不在、聞きなれない音やニオイなど、なんらかの原因で不安を感じて吠えているのかもしれません。
飼い主不在が原因の不安で吠えていると、不安がどんどんエスカレートして分離不安症という不安障害を引き起こすこともあります。軽度であれば留守番の練習をすることで克服できますが、問題行動が激しい場合は獣医師に相談したほうがよいでしょう。
また、工事の音や雷・花火などに怯えている場合は、一過性のため出来るだけ愛犬が安心できるような環境を整えることが大切です。
うるさいと言われてしまいがちな犬種
犬の特性として「もともと声が大きい」「声が甲高い」等のよく吠えるといわれる犬種をご紹介します。
正しいトレーニングとしつけで「うるさい!」と言われないようにすることは可能ですが、あらかじめ犬種の性質を知ることで、より良いパートナー選びができるはずです。
キャンキャン甲高い声で鳴くのでうるさい!といわれがちな犬種
● ポメラニアン
● チワワ
● ヨークシャーテリア
● パピヨン
● ミニチュアダックスフンド
声が大きくやたらと響いてうるさい!といわれがちな犬種
● ビーグル
● シェットランドシープドッグ
● ウェルシュコーギーペンブローク
● ボーダーコリー
● シベリアンハスキー
● バセットハウンド
バセットハウンドはよく吠える犬ではありませんが、独特の低い声は音量が大きく響きも抜群のため、知らずに飼うと吠え声にびっくりするかもしれません。
愛犬が「うるさい!」と言われないための住まいの工夫
可愛い愛犬だからこそ、近所の人から「あの家の犬はうるさい!」と言われたくないですよね。基本的なしつけやトレーニングを積み重ねることで、犬の吠え声をコントロールすることは可能ですが、同時に愛犬が過ごす生活環境を見直すことも大切です。
● 愛犬が落ち着いて過ごせるように、サークルやケージは家族の動線上ではない・窓の外が見えない・ドアや音響機器の近くを避けた場所に設置する。
● 愛犬が不用意に玄関付近をうろつかないよう、家具の配置を工夫したりペット用のゲートを設置しておく。
● カーテン・窓・ドアを防音性の高いものにする。
● 外壁や内壁に防音塗料を塗る。
住環境を見直すことで、愛犬の無駄吠えを減らせることもあります。愛犬がうるさいと悩んでいるかたは、愛犬が吠える理由と住環境の両面から考えてみると、なにかしらの改善ができるかもしれません。