冬の犬の散歩は、寒くておっくうになってしまいますよね。犬は雪でも喜んで駆けまわるという歌もありますが、犬は寒い中散歩に出ても問題ないのでしょうか?犬の健康のためには毎日の散歩が欠かせませんが、寒い日の散歩には注意も必要です。

今回は、冬の犬の散歩の注意点や寒さ対策について解説します。

冬は犬の散歩に行かなくてもいい?

結論から言うと、冬でも犬は散歩に連れて行ったほうがいいです。寒いからと家に閉じこもってばかりいると、運動不足でストレスや肥満の原因にもなります。健康で元気な犬は冬でも散歩に連れて行ったほうが良いのですが、大雪の日や地面が凍って滑る場合は危険なので散歩は控えましょう。

基本的に犬は体が毛で覆われていて寒さに強いため、夏よりも冬の散歩のほうが適しています。ただし毛が短い犬種などは寒がりなこともあるので、防寒着を着せるなど、しっかりと寒さ対策が必要です。

冬に散歩に行ったほうがいい理由

冬に散歩することは、犬にとってメリットもあります。冬の散歩をおすすめする理由は下記のとおりです。

①運動不足解消・肥満対策になる

夏は熱中症の危険があるため、お散歩を控えていた方も多いのではないでしょうか。夏の運動不足を解消するためにも、涼しくなった秋~冬の散歩はおすすめです。寒い中運動すると血流がよくなるので、健康のためにも毎日散歩に行きましょう。

また、秋冬は脂肪を蓄えようと食欲が増すため太りやすいです。散歩でしっかり体を動かすことは肥満対策にもなります。

②ストレス解消になる

日光を浴びると「幸せホルモン」といわれるセロトニンが分泌されて精神が落ち着き、心身の健康にいい影響を与えてくれます。ですが冬は日照時間が短いため、セロトニンの分泌が減り、気分が塞ぎがちになりやすいです。

また、家にずっと閉じこもっているとストレスが溜まってしまい、イライラしてイタズラしたり、元気がなくなって体調を崩したりすることもあります。セロトニンが出るとストレスが軽減されるため、日中に太陽の光を浴びながら散歩するようにしましょう。これは人間にも当てはまることなので、飼い主さんの健康のためにも日中の散歩はおすすめです。

以上の点から、冬は寒い朝晩に散歩するよりも太陽が出ている昼間に散歩するとよいでしょう。

③夏よりも長時間散歩できる

犬は暑さに弱く、夏は熱中症にかかりやすいので長時間散歩することができません。その点冬は熱中症の危険がないため、夏よりも長く外にいられます。

冬は寒さで体が冷えてしまうので、なるべくたくさん歩いて体温を上げて、犬の健康維持や免疫力をアップすることも大事です。

冬の散歩の注意点

いくら犬が寒さに強いとはいえ、寒さ対策を何もせずに散歩することはおすすめできません。犬種によって寒さに弱い場合もあるので注意が必要です。また、室内との寒暖差が大きすぎると体に負担がかかってしまいます。

では、冬の散歩はどんなことに気を付ければいいのか、詳しくご説明します。

①しっかり防寒対策をする

暖かい室内から寒い外に出れば、当然犬も寒さを感じます。寒暖差が大きいと体の体温の調節機能がついていけず、下痢など体調不良になる場合もあります。なるべく体に負担をかけないためにも、温かい服を着せるなどして対策を取りましょう。

最近は犬の冬物の服や足を守る靴なども販売されているので、防寒対策としてこういったアイテムを利用してみるのもおすすめです。防寒グッズに関しては後半でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

②寒さに弱い犬種は無理をしない

小型犬や毛が短い犬種、脂肪や筋肉が少ない犬種は、寒さに弱い傾向にあります。
下記の犬種は寒さに弱いといわれています。

チワワ
トイプードル
ヨークシャー・テリア
マルチーズ
パピヨン
パグ
ミニチュア・ピンシャー
イタリアン・グレーハウンド

チワワやパピヨンは小柄で筋肉が少ない子が多いため、寒いとブルブル震えてしまうこともあります。室内犬は普段温かい家の中にいるので寒さに弱い子が多いです。

トイプードル、ヨークシャー・テリア、マルチーズは一見毛が長くてモコモコしていて温かそうに見えますが、アンダーコートがない「シングルコート」の犬種で、「ダブルコート」の犬種に比べて毛の密が薄いため、寒さに弱いです。

パグ、ミニチュア・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンドなどの短毛種は毛が短く寒さから身を守れないため、冬の散歩は必ず服を着せてあげましょう。

また犬種に関わらず、子犬や老犬は体力がなく寒さに耐えられないため、無理な散歩は控えましょう。外に連れて行きたい場合は抱っこするか、バギーに入れて毛布や湯たんぽなどで温かくしてあげてください。

③日照時間が短いため、朝や夜の散歩は反射板やライトを使う

冬は日照時間が短く、早朝や夜の散歩は暗いため、安全のために愛犬に反射板をつけたり、ライトを持っていきましょう。暗い道は車や自転車から犬が見えづらくて危険です。薄暗くても愛犬が明るく目立つように対策をしてください。

反射板やライトについては後半でも解説しています。

④大雪や路面が凍結してる日は散歩を控える

冬は地域によって大雪になることもあると思います。目の前が見えづらくなるほど雪が降っているときや、雪に足がはまってしまうほど雪が積もっているときは、危ないので散歩を控えてください。多少の雪であれば問題ないので、防寒対策をした上でたくさん雪で遊ばせてあげましょう。

また、雪が降ったあとで路面が凍結している場合も、転倒の恐れやパッドが怪我をする場合があるので散歩は控えたほうが無難です。

散歩の後にするべきケア

寒い外から帰ってきたら、愛犬のケアも忘れずに。雪などで体が湿っている場合は、タオルでよく拭き、ドライヤーでしっかり乾かしながら温めてあげましょう。足先も冷えるので、お湯で湿らせた温かい布で汚れを拭き取りながら、足先を温めてあげてください。

さらに冬は湿度が低いため、毛や皮膚が乾燥しやすいです。毛の静電気が気になる場合は保湿できるスプレーをかけてブラッシングします。皮膚が乾燥してカサカサしたフケが出ていたら、気になるところにローションを塗るのがおすすめです。乾燥で肉球がガサガサになっている場合は肉球専用のクリームを塗るとよいでしょう。

冷えた体をそのままにしてしまうと犬も体調を崩してしまうので、散歩の後は愛犬の体を触って冷たくなっているところがないかをチェックするようにしてください。

寒い冬の散歩におすすめなアイテム

冬の散歩は注意しなくてはいけないことが多いですが、防寒グッズや便利アイテムをうまく取り入れて、寒い冬を乗り越えていきましょう。冬の散歩に役立つ4つのアイテムをまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

冬物の犬の服

短毛や寒がりの子には服を着せて防寒対策をしましょう。厚手のダウンなど保温性が高い防寒着はおすすめです。 生地が防水仕様になっているものだと、雪の日でも活躍してくれることでしょう。

犬用の靴

冷たい地面を歩かせるのが心配な方は、犬用の靴を履かせてみるのはいかがでしょうか。地面が凍結している場合は足を滑らせて転ぶ恐れがあるため、滑り止め加工がされている靴がおすすめです。ただし、靴を履くと嫌がったり、違和感を感じて歩かなくなったりしてしまうこともあるので、まず店頭で試着してから判断しましょう。

反射板・ライト

冬は日が暮れるのが早いので、暗い中散歩する場合は安全のために愛犬に反射板をつけたり、ライトで夜道を照らしたりするなど、事故防止のための対策をしましょう。反射板がついた首輪やハーネスにすれば、車のライトが反射して愛犬の存在に気づいてもらいやすいです。他にも、うんちを取るときや、愛犬が拾い食いをしてないかなど見るときのために懐中電灯やライトを持っていると便利です。

うんちキャッチャー

犬のうんちを拾うとき、袋の上からうんちをつかんで捨てる方が多いと思いますが、素手だと寒いし、手袋をしてうんちが手袋についたら嫌ですよね。

そんな冬の散歩中のうんち取りにおすすめなのが、うんちキャッチャーです。うんちキャッチャーはうんちを少し離れた位置からでも取れるので、手袋をしたままでも汚れることなくうんちを取ることができます。

まとめ

冬の散歩は愛犬に服を着せるなど防寒対策をしっかりしたうえで、無理のない範囲でするようにしましょう。寒がりな犬や、子犬や老犬は特に気を付けてあげてください。

散歩から帰ってきたら、愛犬の体が冷えないようにしっかり乾かして温めてあげることも大切です。乾燥が気になる場合は、保湿スプレーやローションでしっかり保湿ケアをしてあげましょう。

寒い冬は人も外に出るのが嫌になってしまいがちですが、愛犬の健康維持のためにも頑張ってあげたいところですね。また飼い主さん自身も運動不足になりやすい時期なので、自分のためにも散歩で身体を動かして、愛犬と一緒に元気に冬を過ごしていきましょう。