飼い主:しらたゆうこ
愛 犬:うり



茨城の大洗海岸
新学期を一緒に迎えた仲間たちと遊んでいたら、子犬のかたまりを見つけた。ボクたちは、子犬を捕まえることにした。この町は人に飼われていない犬が多い。そして、そういう犬たちが保健所で「処分」されていることも知っている。だから、なんとか「保護」したい。それなのに、どうしても捕まらないんだ。茶色の一匹だけ。みんなは仕方ないと諦めてしまったけれど、ボクは諦めない。明日も明後日も子犬を探す。

数日後、あの子を見つけた。全然逃げない。垣根の下でジッとしていた。ボクは嬉しくて、家に連れて帰ったけどお父さんとおばあちゃんに怒られた。お母さんは子犬を撫でた。でも、みんなが同じ意見じゃないと一緒に暮らすのはダメだって。だから、ボクはお願いしたんだ。飼い主を探すまで!って。

結局、ボクの力ではどうにもならなかった。おばあちゃんは庭に繋がれた子犬をほうきで掃うように邪魔者扱いした。そんな時、お母さんが見つけたんだ。「保護団体」っていうのを。これで命が繋がるんだって。絶対に幸せになるんだよ!

(2024.6)