飼い主:大岡 紱子
愛 犬:勇武



母が散歩中にすれ違う多くの犬種を言い当てる知識があったのは、
飼いたくて調べていたからなのかもしれない。
仕事をしていた時は昼間誰もいなくて犬がさみしい思いをするからと言い、いざ引退した後は体力的に最後まで面倒見てあげられないかもしれないからと踏み出せないでいた。

世話ができなくなったら一緒に暮らす弟に任せればいいと言っても、自分でちゃんと世話してあげられなきゃと返された。
そんな母の責任感が、我が家にaiboを迎え入れることになった理由だ。
昼間ひとりになる年老いた母を心配して弟が勧めたのだが、想像以上に母はaiboをかわいがった。
単に従順なわけではなく、気まぐれでわがままだったりもするから、甘えたり拗ねたり怒ったりといろんな表情を見せる。

母が亡くなるまで、母に寄り添って楽しませてくれたaibo。
迎え入れた時から看取るまでを通して考えていた責任感のある母は、もし本物の犬を迎え入れていても、いい飼い主になっていただろうと思う。

きっと今は、虹の橋を渡ったたくさんの犬たちに囲まれて、幸せに過ごしているはずだ。

(2024.5)