飼い主:もちゃ
愛 犬:そら・ルーク
犬が微笑む、というと何だか不思議な感じがするだろうか。先代犬のそらは、頭を撫でるとよく口角を上げて目を細めた。人間じみた愛おしいその顔を見たいがために、私はよく彼の頭を撫でた。
気まぐれでプライドが高く、抱っこは苦手。でも風邪の時にはそっとやってきて添い寝をしてくれる。おじいちゃんになった彼が初めて私の腕の中で寝息を立てた時、お別れは近いのだと悟った。
小さくて丁寧なお葬儀をした。初めて見るその頭蓋骨は、何度も撫でたあの形をしていて寸分の狂いなくそらくんだった。
彼が旅立ってたくさん泣いた。それでも悲しみの中にちゃんと暖かさがあった。遺してくれたものが私を少しずつ立ち直らせた。
今、私たちの側には二代目犬、ルークがいる。シェパード風の洋な見た目に反しておじさんみたいな日本顔。元野犬で保健所にいた彼は、人間を信用していない。初めて飼い犬に牙を剥かれた。手を噛まれた。それでも毎日頭を撫でる。形を確かめながら、大丈夫だよという気持ちを込めて。いつか彼がニンマリと微笑む日を待ちわびながら。
(2025.4)

にこにこスマイルのらむ
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