飼い主:うえば
愛 犬:ブラウン



ある日、彼女と同棲するための部屋を探すとき、彼女から実家のワンちゃんを連れてきたいと相談されました。
5年間大阪の実家で世話をしていたが、彼女の上京によって会える頻度が減っているとのことでした。
自分は人生で一回もペットを飼ったことがありません。しかし、良い経験になると思い、彼女の要望を承諾しました。

その後、彼女の実家で初めてブラウンに挨拶しました。
ブラウンはとても小さく、想像の何倍も可愛いワンちゃんでした。
大阪から神奈川へ連れて行くとき、5年間いた家や家族と離れるブラウンは終始震えており、運転する自分を「お前は誰だ!」という目で見ていました。新しい家に着いてからも、すぐに自分に懐いてくれることはありませんでした。

ブラウンを迎えて数日が経過したある日のことでした。自分が仕事から帰り、玄関のドアを開けると、しっぽを振ったブラウンが嬉しそうに自分の元へ駆け寄ってきました。
その瞬間、自分はようやく家族として認められたのだと歓喜の気持ちでいっぱいになりました。自分はこの日を忘れることはありません。

(2024.11)