飼い主:はなのかぞく
愛 犬:はな


その時の私は人生で最高の友であり家族を失っただけでなく、最大の後悔を抱え、二度と関わるまいと思って生きていました。
その資格がないとさえ。

小型犬が人気だった時、一匹、安価で販売されていた柴犬。
はなとの出会いです。
その子はどこか幼い頃の「ちゃる」に似ていて、愛おしさと罪悪感が入り混じっていた私ですが、震え続ける彼女を見ていて、こんな思いがよぎりました。
自分を責めて俯いて生きているのは楽なことで、本当に懺悔したいなら1匹でもいいから、その命を守ることに全力を注いで生きるべきではないのかと。

その決意をくれたはなを連れ、ちゃるにできなかったこと、すべきだったことを全て注いでいこうとその日からまた尊い命と向き合う生活が始まりました。

はなとの生活は大変だけど最高に楽しい時間でしたが、ともに過ごし始めてから一年後、甲状腺の病気を抱えていることが発覚。
毎日が怖くて仕方がなかったけど、その命を守り、見届けることを心に決めていたので、どんな事でも受け入れようと必死でした。

病気は生涯の友となりましたが、うまく付き合える事がわかり、それでも大変なことは多いのですが、まだまだ一緒に過ごさせてもらってます。

あれから10年経ちました。
10年も一緒に過ごせています。

あの日、私はどん底にいて、生きていることに後ろめたさを感じるほど、ちゃるを想うと心が締め付けられてその度に涙が溢れていたのですが、今はまだ自分を許せはしないけれど、ちゃるとの思い出にも微笑めるのようになりました。
それもはなと過ごす時間の中で、少しずつ赦しを得ているような気がすることからかもしれません。
そう思わせてくれたはなには感謝しかありません。

はなを通じてたくさんの方とお知り合いになれて、その中で楽しさと学びを得て、あらためて、ペットという家族の素晴らしさを感じています。

ちゃる、はなは、私に命の向き合い方を、その全てをもって教えてくれました。

ふたりとも、ありがとう!

(2023.10)