飼い主:ぼたんのママ
愛 犬:ぼたん


ぼたんとの出会いは夜のススキノの外れのペットショップでした。今のような規制がなかった当時、ススキノという、立地から夜なのに煌々と明るいペットショップ。フラ〜と窓越しに見つけたのが「ぼたん」でした。一目惚れした私はスタッフへ「このコ迎えたいです」と伝えていました。信販会社がやっていないので、明日の明るい時間に来て下さいと言われ、次の日約束の時間に行くとスタッフから「来てくれてよかった」と言われました。聞くと、ぼたんは3回もキャンセルされたんだとか…繁華街のペットショップ、酔った勢いで飼うと言ったものの酔いが覚め、現実を考えたら…と、キャンセルされたのだとか。私はその時【運命】としか思えなかったんです。待っていてくれたのだと。他の子より長くショップにいたぼたんはスタッフから「ぼたん」と名付けられていました。頭にボタンの様なマークがあるから。私もその名前が気に入ったのでぼたんのまま、お迎えしました。無駄吠えもなく、大きな病気もなく、とってもお利口な子でした。仕事でお留守番が長くなってもイタズラひとつせず、お気に入りのソファの背もたれに座って待っていてくれいたぼたん。何度かの引越しで環境が変わっても、おトイレも間違えずにできていました。フェリーにも乗って、本州に移住もしました。15歳を過ぎたあたりから心雑音がみられ、投薬治療をして年に2回の健康診断も医院長先生からお褒めの言葉をもらえるほどだったね。このままずーっとゆっくりと時間が過ぎると思っていました。20歳になったら袴を着せて家族写真を撮ろうと計画していた矢先、容態が急変し夜間救急に駆け込みました。肺水腫。苦しい思いをして約3週間の闘病虚しく、虹の橋を渡っていきました。投薬を始めた15歳の頃から逝く時はママの腕の中で逝くんだよ。と言い聞かせていたからか私の休みを選び、「ママ、もうオレっち逝くよ」と合図してくれたように思います。腕の中で心臓が止まる、体が冷たくなるのを感じました。最期の最後までうんち、おしっこも済ませてお利口さんでした。その頃、モラハラで仕事を続けて行くか悩んでいた時のぼたんの死。抜け殻になった私はみるみるとメンタルが崩壊してしまい、仕事を続けられなくなりました。周りにはぼたんが悪から解放させてくれたのよ。と言われて涙が止まりませんでした。ぼたんの存在がどれだけ自分にとって大きいものだったのか実感しました。まだ亡くなって間もなく未だに涙は零れますが、ぼたんが私を守ってくれたのだと信じています。気配や夢には未だに出てきてくれませんが、きっと天国で生まれ変わりの訓練を受けているんだと思っています。かならず、きっと、またママの元に姿を変えて舞い戻ってくると思っています。ぼたんと過ごした19年はとってもあっという間で、とっても濃厚で、充実して幸せなものでした。ぼたん、またいつかどこかで再会しようね。ママ、鈍感だから合図出してね。待ってるよ。愛しのぼたんへ。ママより。
(2023.10)