お客様のお名前:チトのゆび
愛犬の名前:ヴァーグ
12年位前になるでしょうか。
成人したての娘が大阪に一泊で遊びに行って帰って来た夜、『ママ、お土産!』と、言ってコートの右ポケットから、おもちゃのぬいぐるみのような、白っぽい子犬を手のひらに乗せて差し出しました。
それが、現在12才になる我が家のヴァーグとの出会いです。
以前も犬は飼ってましたが、喪う辛さを考えるともう飼う事は避けたいと思ってた時期でした。
それだけではなく生活に余裕も無かった時でした。
しかしその夜から、余裕がないのに…と、いいながらも、しっかり虜になってました。
名前はフランス文学を勉強していた息子が、フランス語で「流行・波」という意味のヴァーグと付けました。
ヴァーグが来てくれてから、私達の生活に欠けてたものが分かるようになりました。
それは、他愛も無いことで笑うこと、一喜一憂することをすっかり忘れた生活をしていたことに気付かされました。
小さな命を預かることで暖かい人間身溢れる喜びが得られた事が、何よりの授かりです。
娘が何かを感じて我が家へ持ち込んだ贈り物だったのかもしれません。
最近、少しおばあちゃんになって来てるような衰えを感じます。
いつかは神様の元に帰って行くんだとわかってますが、我が子(犬)だけは奇跡を起こし、少し長生きしてくれそうな、そんな予感を感じながら、今日も一緒に寝起きを共にしています。
ヴァーグちゃん、ありがとうね。